「会社でYouTubeを始めたいんですが、最初に何をすればいいですか?」これは、かなりよく聞かれる質問です。カメラを買う、編集ソフトを決める、まず10本撮る。もちろんそれも必要になるのですが、私ならその前に、誰に何を伝えて、見た人にどう動いてほしいのかを決めます。ここが曖昧なままだと、動画は出せても「結局、会社にとって何がよかったのか」が分からなくなりやすいからです。私はYouTubeの仕事に10年ほど関わり、これまで1,500本を超える動画制作に携わってきました。その中で感じるのは、企業YouTubeには会社ごとに合うやり方があって、最初から大きく始める必要はない、ということです。この記事では、企業YouTubeの始め方を、なるべく難しい言葉を使わずに整理します。まず90日ほど試すなら、何を決めて、どこを見ればいいのか。小さな会社でも回しやすい形でまとめました。まず決めたいのは、この6つですチャンネル名や機材より先に、次の6つをメモしてみてください。きれいな企画書でなくて大丈夫です。何のためにYouTubeをやるのか誰に見てほしいのか見た人に次に何をしてほしいのか社内で誰が最後にOKを出すのかいくら・どのくらいの時間を使えるのか90日後に何を見て、続けるか判断するのかこの6つが決まるだけでも、「なんとなく再生されそうな動画」と「会社として出す意味がある動画」を分けやすくなります。1. 目的は、最初は1つで十分です企業YouTubeには、問い合わせ、採用、認知、既存のお客さまへの説明など、いろいろな使い方があります。ただ、立ち上げから全部を狙うと、誰に向けたチャンネルなのかがぼやけます。なので最初は、いちばん優先したい目的を1つ決めるのがおすすめです。たとえば「問い合わせを増やしたい」なら、いきなりサービスを売り込む動画だけを作るのではなく、こんな順番で企画を置けます。まだ課題に気づいていない人向けに、よくある悩みを話す解決方法を探している人向けに、手順や選択肢を見せる依頼先を比べている人向けに、費用や役割の違いを説明する条件が合いそうな人には、診断や相談のページを案内するすべての動画から、すぐ問い合わせが来る必要はありません。まず別の動画を見てもらう回もあれば、サービスページへ進んでもらう回もあります。再生数はもちろん大事ですが、会社の目的そのものではなく、途中を見る数字の一つです。再生数が多くなくても、検討中の人が次のページへ進んでいるなら、役割を果たしている可能性があります。2. 「誰向けか」は、悩んでいる場面まで書く「経営者向け」「広報担当者向け」だけだと、まだ少し広いです。これからYouTubeを始める社長と、すでに運用していて伸び悩んでいる広報担当者では、知りたいことが違います。私なら、視聴者をこんな1文で書きます。自社YouTubeを始めたいけれど、内製と外注のどちらが合うか分からず、必要な予算と社内の動きを整理したい社長・広報担当者。ここまで決まると、タイトルも内容も作りやすくなります。そして動画を作る前に、「見た後にどうなってほしいか」も1つ決めます。やるべきことが整理できる内製・外注・伴走の違いが分かる次の動画で、もう少し詳しく調べられる無料診断で、自社に合う進め方を確認できる毎回相談を迫るより、その人の検討段階に合う次の一歩を置いた方が自然です。3. 内製・外注・伴走は、会社の余力で選ぶ企業YouTubeの運用方法に、どの会社にも当てはまる正解はありません。ざっくり分けると、次のように考えられます。進め方合いやすい会社社内に残る仕事内製撮影や編集を担当できる人がいる企画から公開までほぼ全部制作だけ外注企画や出演は社内で進められる企画、確認、公開判断伴走一緒に考えながら不足部分を補ってほしい一次情報の提供、確認、最終判断ほぼ代行社内の制作時間をできるだけ減らしたい事実確認、許諾、最終判断完全に任せる形でも、会社固有の事実や、お客さま・社員の掲載許可まで外部が勝手に決めることはできません。少なくとも「内容は合っているか」「公開して大丈夫か」を見る人は社内に必要です。KAKUMEIJIは、全部をブラックボックスにして丸投げするより、会社の中にある情報や判断を残しながら、一緒に進める伴走型を中心にしています。社内でできることはやりつつ、企画・撮影・編集・投稿・改善の足りない部分を補ってほしい会社には合いやすいと思います。反対に、社内では何も確認せず、短期間で必ず結果だけ出してほしい、という場合は、うちの進め方とは合わないかもしれません。4. 予算は、外注費だけで考えないYouTubeの費用を比べるとき、外注の見積額だけを見がちです。でも実際には、社内の時間もかかります。考えておきたいのは、次の合計です。外注費 + 社内担当者の時間 + 出演・確認の時間 + 撮影や移動などの費用内製ならお金がかからない、というわけでもありません。逆に、外注すれば社内の手間がゼロになるわけでもありません。始める前に、最低限この4つを決めておくと安心です。まず何か月試すかその間に使える費用はいくらか何本くらい作り、何回改善するかどんな状態なら続ける・見直す・止めるのか「週1本なら伸びる」「10本出せば判断できる」のような、全チャンネル共通の本数はありません。投稿本数より、誰向けの何を変えて試したかを残す方が、次につながります。機材も、最初から高価なものをそろえなくて大丈夫です。まずは話を聞き取れる音、内容が分かる明るさと画角、誤解を生まない編集、素材や出演者の権利確認。このあたりを最低ラインにすると考えやすいです。5. 最初の90日は「伸ばし切る期間」ではなく「回せる形を探す期間」90日で必ず成果が出る、という意味ではありません。会社として試しやすく、いったん振り返りやすい区切りとして90日を使います。1〜30日:まず1本、最初から最後まで通してみる目的、視聴者、次の行動を決める企画・台本・公開を誰が確認するか決めるまず1本、企画から公開まで一通りやってみる概要欄やWebサイトへの導線を準備する最初の1本は、作品として完璧にするより、どこで時間がかかるのかを知る意味もあります。31〜60日:少しずつ変えて試す同じ視聴者に向けて、企画の切り口を変えるタイトルとサムネイルが、内容とずれていないか見る撮影・編集・確認にかかった時間を記録する一度に全部を変えず、変えた点を残す数字が悪かったときも、すぐ「YouTubeは向いていない」とは決めません。企画なのか、タイトル・サムネイルなのか、動画の中身なのか。順番に見た方が原因を考えやすくなります。61〜90日:数字と手間の両方を見る見てほしい人に届き始めているかタイトル・サムネイルから見てもらえているか必要なところまで視聴されているか次の動画やWebサイトへ進んでいるか制作や確認の負担を続けられそうかクリック率や視聴維持率にも、全チャンネル共通の合格点はありません。動画の長さ、テーマ、流入元、公開からの日数が違えば数字も変わります。まずは近い動画同士を、同じ期間で比べるのが基本です。6. 問い合わせにつなげたいなら、動画の外も見るYouTube Analyticsだけでは、動画を見た人がその後に問い合わせたかまでは分からないことがあります。概要欄から自社サイトへ案内するなら、リンクにUTMパラメータを付けておくと、Google Analyticsで流入を分けて確認しやすくなります。utm_source=youtubeutm_medium=organic_videoutm_campaign=シリーズ名utm_content=動画ID_リンク位置ただし、UTMだけで成果のすべてが分かるわけではありません。別の端末で検索し直したり、社内で動画が共有されたり、後日直接サイトを開いたりすることもあります。なので私なら、アクセス解析に加えて、問い合わせ時に「何で知りましたか」を確認します。動画の再生数だけでなく、診断、サービスページ、問い合わせまで、見える範囲を少しずつつないでいくイメージです。よくある質問最初は何本投稿すればいいですか?共通の正解はありません。小さな会社なら、無理に週1本を約束するより、まず月2本でも企画・公開・振り返りを続けられるかを見る方が現実的です。余力が出たら本数を増やせば大丈夫です。社内に動画担当者がいなくても始められますか?制作作業は外部へ依頼できます。ただし、会社の情報が正しいか、素材を使ってよいか、公開してよいかを判断する人は必要です。1人が兼ねても問題ありません。AIだけで運用できますか?文字起こし、情報整理、企画候補、初稿づくりにはかなり使えます。一方で、事実確認、権利・許諾、最新仕様、会社らしい表現、最後の公開判断は人が持つ方が安全です。凝った編集や高価なカメラは必要ですか?最初から必須ではありません。聞き取りやすい音声と、内容が伝わる画・構成を優先してください。そのうえで、現場映像、実演、会社にしかない一次情報へ少しずつ投資するのがおすすめです。迷ったら、まず自社に合う形を整理してみてください企業YouTubeの始め方は、予算や投稿本数だけでは決まりません。社内で使える時間や、撮影への関わり方、どこまで外部に頼みたいかによって変わります。KAKUMEIJIの無料チャンネルタイプ診断は、6問・登録不要です。自社は内製、伴走、代行のどれが合いそうか、まず整理するために使えます。無理に相談へ進む必要はありません。「こういう始め方もあるんだな」と分かるだけでも大丈夫です。予算や考え方が合いそうなら、その後にご相談ください。記事内情報の確認日:2026年8月23日計測仕様は変更されることがあります。実際に設定するときは、Googleの現行公式情報も確認してください。Google Analytics:カスタムURLとUTMパラメータGoogle Analytics:流入元ディメンションのスコープ